2016年8月06日

最近デイサービスセンター(老人福祉施設)のご相談をよく受けます。
そして、殆どの場合に新築ではなく、居抜きの建物又はテナントを利用したい事業者さんからのご相談です。リノベーションしてデイサービスセンターとして新装したいといった内容です。

ご相談を受ける際に、幾つかの物件候補を見せてもらいますが、デイサービスセンターへの用途変更が難しい物件が多く、物件が決まるまでに多くの時間を費やすケースがあります。
それは福祉施設となると色々とハード面で求められる要件が多い為です。

事業者さんにとっても、時間が無い中での物件選びはストレスの溜まる作業です。
物件選びのポイントを事前に設計事務所や工務店に相談してから行かれるのが望ましいですが、とりあえずザックリしたポイントを書きます。

①既存物件の確認図書 完了検査
居抜きの建物の確認申請図書があるか、新築当時に完了検査を受けているかを確認する。
確認図書が無い、かつ検査を受けていない建物の場合には、用途変更して新しく確認申請を取るのに役所との協議が必要になります。既存不適格調書等を提出して交渉することになりますが、要注意項目です。計画が中止になる場合も希にあります。
また、確認申請だけでなく、都市計画法の申請も必要となるので、1ヶ月程度は通常の確認申請期間より長くなります。

②利用者の宿泊の有無
デイサービスセンターでいくならば利用者の宿泊は絶対にNG
利用者の宿泊があると、規模にもよりますが消防からの用件が厳しくなります(スプリンクラー等)
静養室を設けて、一時的に休憩がてら寝るのはOK
デイサービス施設を消防に申請する場合には宿泊の有無は執拗に確認され、また建物に年1回以上、消防署のスタッフが来て立入検査するので、宿泊は絶対にNG
事業計画を立てる際には、このことを考慮して下さい。
利用者の宿泊を有で行く場合には計画が大きく変わりますので注意して下さい。

③段差
建物を探す場合、道路から建物内の床までの高さ(段差)が小さい物件を探す。
例えば居抜きのコンビニがお勧めです。
バリアフリー法です。埼玉県の場合には床面積に関係なくバリアフリー法が適用されます。
そのため、道路から建物に侵入する際に段差があるとスロープ等により段差を解消する必要があります。
既存の物件の床の高さが、外の地面より高くなっている場合には注意が必要です。
土地の大きさに余裕が無く、スロープの必要長さがとれない物件ではバリアフリー法への適合が不可となります。バリアフリー法の要件を満たせない場合には計画は中止になります。

その他にも採光や給排水配管などチェック項目は沢山ありますが、まずは上記の3項目をクリア出来ているかを始めにチェックすることをお勧めします。

2016年8月6日